「メンタルが強い人」とは？

メンタルが強い人の特徴

メンタルが強い人と聞いて皆さんはどのようなイメージを持ちますか？

人のことが気にならない人、マイペースを貫く人、図太い人、などと言ったイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか？

ですが、メンタルが強い人とは、生まれつきの資質ではなく、特定のスキルを習得し、実践することで困難な状況に適応し、成長できる人のことです。

心理学的な観点から見ると、彼らは主に以下の3つの特徴を持っています。

1. 課題の分離

メンタルが強い人は、「自分の課題」と「他者の課題」を明確に区別できます。これはアドラー心理学の概念で、健全な人間関係を築く上で非常に重要です。

たとえば、あなたが誰かに助言をしたとします。しかし、相手がその助言を受け入れず、結果として失敗してしまったとしましょう。このとき、メンタルが弱い人は「自分の助言が間違っていたのではないか」と自責の念にかられたり、「どうして言うことを聞いてくれなかったのか」と相手に怒りを感じたりしがちです。

一方、メンタルが強い人は、「助言をする」という行動は自分の課題、「その助言を受け入れるか、行動するか」は相手の課題と捉えます。そのため、相手の選択や結果に対して過剰な責任を感じたり、振り回されたりすることがありません。彼らは、他者の行動を変えることはできないと理解しているため、不必要なストレスを抱えずに済みます。

2. 感情のラベリング

メンタルが強い人は、自分の感情を客観的に認識し、**「ラベリング（名付けること）」**ができます。たとえば、「なんだかモヤモヤする」という漠然とした感情を、「これは不安だ」「これは悔しさだ」と具体的に特定するのです。

感情をラベリングすると、その感情に圧倒されることなく、距離を置いて向き合うことができます。感情の正体がわかれば、「なぜ自分は不安を感じているのだろう？」と原因を分析したり、「どうすればこの感情を落ち着かせられるか？」と対処法を考えたりする次のステップに進めます。感情のラベリングは、自分の心の状態をコントロールするための第一歩なのです。

3. 相手の感情に振り回されない

メンタルが強い人は、他者の感情を尊重しつつも、それに振り回されることがありません。これは、前述の「課題の分離」とも密接に関わっています。

たとえば、機嫌の悪い同僚がいたとします。メンタルが弱い人は、「自分のせいで怒らせてしまったのではないか」と不安になったり、「相手の機嫌を直さなければ」と過剰に気を遣って疲れてしまったりします。

しかし、メンタルが強い人は、「相手が不機嫌なのは、その人自身の問題だ」と冷静に捉えます。もちろん、相手を思いやる気持ちは持ちますが、その感情の責任を自分に求めたり、相手の感情に左右されて自分の行動を変えたりはしません。彼らは、他者の感情と自分の感情を切り離して考えることができるのです。

まとめ

メンタルが強い人とは、「困難な状況に適応する力」や「心の回復力（レジリエンス）」を持っている人です。彼らは、自分の感情を客観視し、課題を明確に区別することで、他者からの影響や予期せぬ出来事によって心が揺らぐのを防いでいます。これらのスキルは、意識してトレーニングすることで誰でも身につけることができます。