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虐待サバイバー~ 強くて脆い 心優しき人たちへ~
これまで、本当に強く生きてきましたね。 嵐のような日々の中で、自分を守るために必死で歯を食いしばり、壊れそうな心を自分で抱きしめてきたのだと思います。 だからこそ、あなたは「強い」のです。 けれど、その強さは「頼れる人がいなかったから、強くならざるを得なかった」という、悲しい強さだったのかもしれません。 あなたが抱える「優しさ」の正体 不思議なことに、壮絶な痛みを経験した人ほど、他人に深く共感し、優しい心を待っていることが多くあります。 人の顔色を瞬時に読み取れる(かつて、そうしないと危険だったから) 自分のことより他人を優先してしまう(自分には価値がないと思い込まされてきたから) 「自分が我慢すれば丸く収まる」と考えてしまう その優しさは、あなたの素晴らしい資質です。でも同時に、その優しさが あなた自身を苦しめる鎖 になってはいませんか? 「もう、ひとりで戦わなくていい」 今、あなたは大人になり、あの頃のような直接的な暴力はなくなったかもしれません。 しかし、心の中ではまだ、当時の恐怖や、「自分はダメな人間だ」という否定的な声と戦い続けているの

nirin-so
21 時間前読了時間: 3分


人生の停滞を打破する鍵~なぜ「努力」より「直感」が正解へ導くのか?心理学が明かす脳の正体
「これだけ頑張っているのに、なぜか上手くいかない」 「論理的に正しい選択をしたはずなのに、心が晴れない」 もしあなたが今、そんな行き詰まりを感じているのなら、それは「努力不足」ではなく「思考の使いすぎ」が原因かもしれません。 人生を好転させる最大の武器は、実は論理的な思考ではなく、「直感」にあったりします。 これは単なる精神論ではありません。心理学や脳科学の観点から見ても、「行き詰まった時ほど直感に従うべき」という明確な理由が存在するのです。 1. 意識は氷山の一角、直感は海面下の巨大な力 私たち人間は、普段「自分の頭で考えて判断している」と思っています。しかし、心理学的に見ると、私たちが意識的に操作できる思考(論理や理性)は、脳全体の処理能力のほんの 5%程度 に過ぎないと言われています。 残りの95%は 「無意識」 の領域です。 論理で考えようとすることは、広大な海を小さな手漕ぎボートで渡ろうとするようなもの。一方、無意識(直感)を使うことは、海流そのものに乗るようなものです。 行き詰まりを感じる時というのは、たいてい「5%の意識」の容量がパ

nirin-so
4 日前読了時間: 4分


その生きづらさは、あなたが弱いからではありません。心のシステムが「警戒モード」のままだからです
自分を変えたいと、自己啓発本を読んだり、話し方を学んだり、セミナーを受けてみたり…。 自分なりに努力しているのに、なぜか根本的な不安が消えない。 そんな違和感を感じたことはありませんか? それは、あなたの努力が足りないからではありません。 もしかすると、心の深い部分にある「OS(基本システム)」が、子供の頃の環境に合わせて設定されたままだからかもしれません。 安心できない環境で育った人は、常に周囲を警戒し、「攻撃されないか」「見捨てられないか」とアンテナを張り巡らせる必要がありました。 これは、過酷な環境を生き抜くための、非常に優秀な「防御システム」でした。 ですが、大人になった今、平和な日常の中でもこのシステムが作動し続け、「人の些細な言動」を「脅威」として感知してしまっているのです。これが、今の人間関係の疲れの原因かもしれません。 染み付いた思考の癖や反応は、自分一人で修正するのはとても難しいものです。 カウンセリングは、プロの視点を借りながら、この「警戒モード」を「安心モード」へとアップデートしていく作業です。 これはより良く生きるための

nirin-so
6 日前読了時間: 2分


人間関係に疲れたあなたへ ~「わからない」からこそ優しくなれる
「どうしてあの人は、私の気持ちをわかってくれないんだろう?」 「普通、こういう時はこうするものでしょう?」 人間関係の悩みは、つきつめればこの 「期待とのズレ」 に行き着くことが多いものです。 家族、恋人、友人、職場の同僚……。 大切にしたい関係であればあるほど、このズレは私たちを苦しめます。 今日は、そんな人間関係の疲れを根本から癒やすための、 「心の視点」 についてお話しします。 同じ場所にいても、見ている世界は全く違う 心理学的なお話をしましょう。 例えば、ここにAさんとBさんという二人の人物がいて、全く同じ場所で、全く同じ出来事を経験したとします。 夕焼けを見ていたとしましょう。 Aさんはその夕焼けを見て「なんて美しいんだろう、明日も頑張ろう」と感動するかもしれません。 しかし、隣にいるBさんは「なんだか寂しい色だな。昔、失敗した日のことを思い出す」と落ち込むかもしれません。 同じ事実(夕焼け)を見ているのに、心に生まれる感情(現実)は全く別物です。 なぜ、こんなことが起こるのでしょうか? それは、二人が「違う人生」を生きてきているからで

nirin-so
12月8日読了時間: 4分


他人の顔色が気になって疲れてしまう…。「いい子」を演じ続けてきたアダルトチルドレンが自分軸を取り戻す方法
✅職場の上司の機嫌が悪いと、自分のせいではないかと不安になる ✅友達とのランチで自分が食べたいものではなく相手に合わせたメニューを選んでしまう ✅LINEの返信が遅いと、「何か変なことを言ったかな」と一日中気にしてしまう もしあなたが、日常的にこんな疲れを感じているなら、それはあなたの性格のせいではありません。 もしかすると、子供の頃から 「親の顔色を伺って生き延びてきた」 アダルトチルドレン(AC)特有の 思考癖 が原因かもしれません。 なぜ、人の顔色がこんなにも気になるのか? 常に周囲の空気を読み、相手が求めている正解を探してしまう。 これを 「過剰適応」 と呼びます。 安心できる家庭環境で育った人は、家が 「充電場所」 になります。 しかし、機能不全家族の中で育った人にとって、家は 「戦場」 でした。 いつ親が爆発するかわからない緊張感 親の愚痴を聞き役として受け止め続けた経験 「いい子」にしていないと居場所がなかった記憶 こうした環境では、 相手(親)の顔色を先読みすることは、自分を守るための高度な「サバイバルスキル」 でした。...

nirin-so
12月6日読了時間: 3分


その「モヤモヤ」は正解です。不快感が教えてくれる、本当のあなたと出会うサイン
「なんだか胸がザワザワする」 「理由はないけど、ソワソワして落ち着かない」 「心臓がバクバクして、胸がぎゅーっと締め付けられる気がする」 今、あなたの体には、そんな感覚がありませんか? 私たちは普段、こうした不快な感覚を「悪いもの」「消すべきもの」として扱ってしまいがちです。見なかったことにしたり、気合でねじ伏せようとしたり。 でも、あえて言わせてください。 今あなたが感じているその不快感、それこそが「正解」なのです。 それは、あなたの心と体が発している、とても正直で緊急性の高いメッセージです。 心理学的な視点から、この 「不快感」の正体 と、そこから本来の自分を取り戻すヒントを紐解いていきましょう。 1. 体は嘘をつかない:ソマティック・マーカー仮説 まず、なぜ心の問題が「バクバク」「ギュッ」という身体症状として現れるのでしょうか。 心理学や脳科学の分野には「ソマティック・マーカー仮説」という考え方があります。 これは簡単に言うと、「感情や過去の経験は、身体の反応(ソマティック)として現れ、それが意思決定のサイン(マーカー)になる」というもので

nirin-so
12月3日読了時間: 5分


親を見捨てるようで苦しいあなたへ。その「罪悪感」の正体と自分を守るための第一歩
「親からの着信画面を見るだけで、心臓が早鐘を打つ」 「実家に帰る日が近づくと、体調が悪くなる」 「もう関わりたくないと思うのに、親を見捨てるような自分が許せない」... あなたは今、こんな矛盾した苦しみの中にいませんか? 頭では「離れたほうがいい」とわかっていても、心がそれを許さない。 その正体は、あなたが冷たい人間だからでも、親不孝だからでもありません。 それは、長い年月をかけて植え付けられた 「呪縛」による条件反射 です。 今日は、アダルトチルドレンや毒親育ちの方が必ずぶつかる「距離を取ることへの罪悪感」について、心理的な背景と、そこから抜け出すためのヒントをお話しします。 なぜ「離れたい」のに「罪悪感」を感じるのか? 親から離れようとすると襲ってくる強烈な罪悪感。 これは実は、幼少期に生き延びるために身につけた 「生存戦略」 の名残です。 毒親と呼ばれる親のもとで育った子供にとって、親の機嫌を損ねることは、そのまま 「生死」 に関わる恐怖でした。 「親を悲しませてはいけない」 「親の期待に応えなければ、ここにいてはいけない」 「親が不幸なの

nirin-so
12月2日読了時間: 3分


「完璧な計画」ほど動けなくなる?心理学が教える「クリエイティブ・アボイダンス」の正体
「よし、やりたいことが見つかった!」 「まずは目標を立てて、スケジュールを決めて、道具を揃えて……」 意気揚々と計画を立てたはずなのに、いざ実行の段階になると、なぜか急にやる気が失せてしまったり、別のことを始めたりして先に進まない。そんな経験はありませんか? 「自分はなんて意志が弱いんだろう」と責める必要はありません。実はそれ、あなたの脳が あまりに優秀すぎるために起きている心理現象 なのです。 今回は、計画を立てると動けなくなる心のブレーキ、 「クリエイティブ・アボイダンス(創造的回避)」 について、その正体と対策を心理学的観点から解説します。 1. なぜ「あれこれ考え始める」と動けなくなるのか? やりたいことを見つけた直後はドーパミンが出てワクワクしていますが、詳細な計画を立て始めると、脳は「変化のリアリティ」を感じ取ります。 ここからが問題です。人間の脳には、本能的に「変化を嫌い、現状を維持しようとする機能(ホメオスタシス)」が備わっています。 あなたが「変わろう(行動しよう)」とすればするほど、脳はそれを「危険信号」と捉え、無意識のうちに

nirin-so
11月29日読了時間: 5分


「親がしんどい」は心のSOS。過干渉な親から心を解き放ち、自分を取り戻すためのステップ
「親がしんどい」「うざい」「放っておいてほしい」 スマートフォンの検索窓にこの言葉を打ち込んだ時、あなたはどんな気持ちでしたか? ただの反抗心でしょうか? いいえ、きっと違うはずです。 胸が締め付けられるような息苦しさ、自分の人生なのに自分のものではないような無力感、そして「このままでは自分が壊れてしまう」という本能的な危機感。 もしあなたが、親の過度な干渉によって限界を迎えているなら、この記事はあなたのためのものです。 これは単なる愚痴の吐き出し場所ではありません。プロのカウンセラーの視点から、親の支配から精神的に自立し、あなた自身の人生を取り戻すための処方箋をお伝えします。 あなたの親は「普通」ではないかもしれない まず、はっきりさせておきたいことがあります。 あなたが感じている「しんどい」「うざい」という感情は、決してあなたが冷たい人間だからでも、親不孝だからでもありません。 それは、心の領域(バウンダリー)を侵犯された時に鳴る、正常な警報アラームです。 以下のチェックリストを確認してみてください。 進路、就職、結婚など、人生の重要な決定に

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11月28日読了時間: 5分


心理学で解明 「司令塔」と「実行部隊」の反乱を止めろ!人生が劇的に変わる“整合性”の秘密
今年も残すところあと1か月と少し。 新年を迎え、 「今年こそはダイエットをするぞ!」 「毎日英語の勉強をするぞ!」 そう固く決意するのに、3日後にはこたつでポテトチップスを食べていたり、スマホで動画を見続けてしまったり…。そんな経験はありませんか? 私たちはよく、これを「自分の意志が弱いからだ」と責めてしまいます。しかし、心理学的な観点から見ると、これは意志の弱さの問題ではありません。 これは、あなたの中の「司令塔」と「実行部隊」の連携ミス、つまり「組織の不整合」が起きているだけなのです。 今日は、あなたの内側で起きているこのドラマを紐解き、驚くほどスムーズに目標を達成するための「整合性」の高め方についてお話しします。 1. あなたの中にいる2人の登場人物 心理学では、私たちの意識は大きく2つに分けられると考えられています。これを組織に例えると、非常にわかりやすくなります。 顕在意識(司令塔):全体の約3〜5%。論理的思考、理性、決断を担当。「痩せたい」「勉強したい」と目標を立てるのは彼らの仕事です。非常に賢いですが、スタミナがなく、すぐに疲れて

nirin-so
11月26日読了時間: 4分


勘違いしていませんか? 心理学的に見る「足るを知る」の本当の意味 〜不足感のループから抜け出す方法〜
「足るを知る(知足)」 この言葉を聞いて、あなたはどのようなイメージを持ちますか? 「今の生活で我慢しなさい」 「高望みをしてはいけない」 「欲しがらないことが美徳だ」 もし、あなたがこのように「現状維持」や「諦め」のようなニュアンスで捉えているとしたら、それは少しもったいないかもしれません。 実は、心理学的な視点から見る「足るを知る」とは、「望まないこと」ではなく、「今ある豊かさを『感知する能力』を高めること」なのです。 今日は、私たちが陥りやすい思考の癖と、本当の意味での「幸せへの近道」についてお話しします。 恐ろしい「不足に注目する」という習慣 私たちの脳には、RAS(網様体賦活系)という機能があります。これは、自分にとって関心のある情報だけを拾い上げ、それ以外を遮断するフィルターのような役割を果たしています。 例えば、「赤い車が欲しい」と思った途端、街中で赤い車ばかりが目につくようになった経験はありませんか? これは赤い車が増えたのではなく、脳が「赤」を重要だと認識し、アンテナを張ったからです。 これを人生の「豊かさ」に置き換えてみましょ

nirin-so
11月24日読了時間: 4分


ネガティブ感情と古いパターン 「戦わず」に活力を与える心理学的整理術
現代を生きる私たちは、ネガティブな感情や、ついつい繰り返してしまう古い思考・行動のパターンに直面したとき、「なんとかして打ち破らなければ」「戦って排除しなければ」と考えがちです。 しかし、このブログでは、心理学的な観点から、その「戦う」というアプローチが、実はエネルギーを消耗させる非効率な道であることをお伝えします。 本当に必要なのは、 戦い ではなく、自分自身の内面にある感情やパターンを「 整理整頓 」し、「 どれを選び育てるか 」という視点を持つことです。 🧠 「戦わない」心理学:アクセプタンスとマインドフルネス 「ネガティブ感情とは戦わない」「古いパターンとは戦わない」という原則は、現代心理学、特に 第三世代の認知行動療法 において非常に重要な概念です。 1. ネガティブ感情への「アクセプタンス(受容)」 感情は天気のようなもので、私たちの意思とは関係なく発生し、やがて過ぎ去っていきます。ネガティブ感情(不安、怒り、悲しみなど)を「悪いもの」「排除すべきもの」と見なし、戦いを挑むと、その感情はかえって居座り、増幅する傾向があります。 これ

nirin-so
11月22日読了時間: 5分


なぜ「やる」と決めることがこんなにも難しいのか?:行動の壁を乗り越えるメカニズム
「結局、できるかできないかは問題じゃない。 やるかやらないか、やると決めるか決めないか だ。」 この言葉を誰もが一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。 目の前の仕事、ダイエット、新しい勉強...。 行動に移す前の段階、つまり「 決断 」こそが最大の難関であり、ほとんどの人がその壁の前で立ち止まってしまうからです。 では、私たちの心の中では一体何が起こっているのでしょうか? なぜ、頭では「やるべきだ」とわかっているのに、「やると決める」ことがこれほどまでに難しいのか、心理学的な観点から紐解いてみましょう。 1. 脳が嫌がる「不確実性」と「変化」:恒常性(ホメオスタシス)の罠 私たちが「やろう!」と決断し、新しい行動を始めるとき、脳はそれを 危険な変化 として認識します。 心理学でいうところの「 ホメオスタシス(恒常性) 」とは、私たちの身体や心が、現状を維持しようとする自動的なシステムのことを指します。 現状維持バイアス: 人間は本質的に、リスクやコストが不明確な「変化」よりも、たとえ満足していなくても慣れ親しんだ「現状」を選びたがる傾向が

nirin-so
11月20日読了時間: 4分


「しか」と「も」:口癖はあなたの人生の鏡
私たちの日常の会話には、無意識のうちに使っている「口癖」があります。 その中でも、日本語の小さな助詞である「 しか 」と「 も 」は、単なる言葉のあやに留まらず、私たちが世界をどう捉え、どう生きるかという、 心理的な鏡 の役割を果たしています。 もし、この些細な口癖が、あなたの人生を「不足」と「豊かさ」という真逆の軌道に乗せてしまうとしたら、あなたはどちらを選びますか? 1. 「しか」がフォーカスする「不足」の心理学 😟 欠乏マインドセットの罠 口癖が「 しか 」に偏っている人は、「 〇〇しかない 」という思考パターンに支配されがちです。 「今日は3時間 しか 勉強できなかった。」 「給料が20万円 しか ない。」 「私にはこの資格 しか ない。」 「しか」は、その後に続く事柄の 量や質が不十分である という、不足(欠乏)に焦点を当てます。心理学的に見ると、これは「 欠乏マインドセット 」を強化します。 欠乏マインドセットを持つ人は、常に 持っていないもの 、 足りないもの を探してしまいます。 ネガティブな自動思考: 成功や達成感ではなく、

nirin-so
11月17日読了時間: 4分


🪞 相手を否定することは、自分を否定すること:ユング心理学の「シャドー」が教える真実
私たちは日常生活の中で、他人の言動に対して「それは間違っている」「私ならそうしない」といった否定的な感情を抱くことがあります。 友人や同僚の小さなミスを非難したり、有名人の性格や行動を厳しく批判したり。 これらの行為は、一見すると「正論」や「客観的な評価」のように見えますが、 ユング心理学の観点から見ると、それはもっと深い、 自己との関係 を映し出している場合があります。 「相手を否定することは、自分を否定すること」 —この一見パラドックスに満ちた言葉の真意を理解するためには、カール・グスタフ・ユングが提唱した重要な概念、「シャドー(影)」に目を向ける必要があります。 🌑 シャドーとは何か?:意識から追放された「もう一人の自分」 ユング心理学において、 シャドー とは、 私たちが自らの意識から抑圧し、否定し、排除した自己の一部 を指します。 人間は成長の過程で、社会や家族、そして自分自身の理想像に合わせて、 「良い自分」「受け入れられる自分」を形成していきます。これがユングが言うペルソナ(Persona) 、つまり社会的な仮面です。...

nirin-so
11月15日読了時間: 5分


人を信じられないのは自分を信じられないから?~自己信頼と他者信頼の関連性
「人を信じられないのは自分を信じられないから」 という考え方は、自己信頼と他者信頼の密接な関連性を指摘するものです。 この現象は、他者との関係性を築く上での自己基盤の重要性を示しています。 今回は心理学、特にアドラー心理学や愛着理論の観点からお話ししていきます。 1. 自己信頼と他者信頼の心理学的構造 自己信頼の定義と役割 心理学において 自己信頼 とは、「ありのままの自分」や「自分の持つ思考・感情・行動」を肯定し、 自分の判断や能力、存在そのものに対して価値を認め、頼りにできる感覚 を指します。 判断の信頼 : 自分の感じ方や考えが現実と大きくかけ離れていないと信じること。 能力の信頼 : 困難に直面しても、何らかの形で乗り越えられる力があると信じること。 存在の信頼 : 失敗や欠点があっても、自分には価値があると信じること( 自己受容・自己肯定感 )。 この自己信頼が低く、自分を信じられない状態( 自己不信 )にあると、「自分の判断は間違っているかもしれない」「自分は無力だ」「自分には価値がない」といった 根源的な不安 を抱えることになります

nirin-so
11月12日読了時間: 5分


ユング心理学における「シャドー(影)」の統合とは?:自分を丸ごと受け入れるための旅
心理学者の カール・グスタフ・ユング は、私たちが意識していない無意識の領域、特に「 シャドー(影) 」の概念を提唱しました。このシャドーとは、私たちが 社会生活を送るうえで不適切 だと感じ、意識から切り離し、抑圧してきた自分自身の一面です。 🎭 シャドーの正体:抑圧された「もう一人の自分」 シャドーは、単に「悪い部分」を指すわけではありません。私たちが無意識に押し込めた、 受け入れがたい側面全般 を指します。 ネガティブな側面: 攻撃性、嫉妬、怠惰、わがままなど、「こんな自分は嫌だ」と感じる部分。 ポジティブな側面: 創造性、強いリーダーシップ、情熱、感受性の高さなど、「自分には過ぎたものだ」「発揮すると目立ってしまう」と恐れて抑圧した才能や力。 私たちは、理想的な自分(ユングはこれを ペルソナ と呼びました)を保つために、これらのシャドーを「自分ではないもの」として心の奥底に閉じ込めてしまいます。 🚨 シャドーがもたらす問題:心のエネルギーの浪費 シャドーを抑圧し続けると、様々な問題が生じます。 投影(プロジェクション):...

nirin-so
11月10日読了時間: 4分


心理学的視点から読み解く「すごいね!」と「えらいね!」褒め方の違いとは?
「褒める」という行為は、単に相手を喜ばせるだけでなく、その人の 行動、思考、そして自己概念 に深く影響を与える、極めて重要なコミュニケーションのツールです。 「すごいね!(行動や結果を褒める)」と「えらいね!(その人の在り方を褒める)」 という二つの褒め言葉は、心理学的に見ると、それぞれ異なるメカニズムで人の心に働きかけ、 動機づけや自己肯定感 の形成に大きな違いを生み出すことがわかっています。 1. 認知心理学が示す褒め方の影響 A. 「すごいね!」:結果・能力へのフィードバック 「すごいね!」は、何かを成し遂げた 行動や結果 、あるいはその背後にある 能力 に焦点を当てた褒め言葉です。 効果: 達成感を与え、短期的な パフォーマンス向上 を促します。 外発的動機づけ (褒められたい、認められたいという外部からの刺激)を高める効果があります。 心理学的リスク: アメリカの心理学者キャロル・S・ドゥエックの研究など、多くの研究が示唆するのは、能力(知能や才能)を褒めることは、かえって長期的な成長を阻害する可能性があるということ。...

nirin-so
11月6日読了時間: 4分


「私は悪くない」といいながら自分を責めてしまう~苦しみからの脱却
理不尽に背負った苦労や不運 私は悪くない と言いながら、世の中や、運命や人のせいにできず 誰も、何も恨むこともできないまま、無理やり答えを見つけて当てはめるようにして自分を責める そんな苦しみから抜けるために できることはあるのでしょうか? 誰も恨まず、自分の中に答えを見つけようとする姿勢は、あなたの誠実さ、優しさの表れでもありますが、それが過度な自己責任感につながり、苦しさを生んでいるのだと思います。 心理学、脳科学、NLPの視点から、その苦しみから抜けるためにできることをいくつかご提案します。 苦しみから抜けるためのアプローチ 1. 心理学・認知行動療法(CBT)のアプローチ:「責任の範囲」を明確にする あなたの行動の結果として起きたこと ではない 不運や苦労まで、無理に「自分の責任」として引き受けてしまうことが苦しみの原因となっています。 課題の分離(アドラー心理学)を応用する : その苦労や不運は、「誰の課題(問題)」ですか? 世の中や運命、他者の行動など、 あなたにはコントロールできないもの の結果ではありませんか? 「私には変えられな

nirin-so
11月4日読了時間: 6分


他人ではなく自分に敏感になろう:繊細な心を解放する心理学的アプローチ
「繊細さん」という言葉が一般化し、HSP(Highly Sensitive Person)という概念も広く知られるようになりました。 もしあなたが「自分は繊細だ」「人一倍疲れやすい」と感じているなら、それはあなたの感受性が豊かである証拠です。 しかし、その豊かな感受性が、日常で大きな疲弊感を生み出しているとしたら、その原因はどこにあるのでしょうか? その答えは、「意識の向き」にあると、多くの心理学的知見は示唆しています。 繊細な人が「疲れる」メカニズム 繊細な人々、特にHSPの特性を持つ方々は、一般的に「自分の外側」、すなわち「他人」や「環境」に対して極度に意識が向いている状態にあります。これは、彼らが生まれ持った特性である「処理の深さ」「過剰な刺激の受け取りやすさ」「共感性の高さ」といった要素が複雑に絡み合っているからです。 1. 他者への過剰な「意識の投射」 繊細な人は、しばしば他者の感情や意図を深く読み取ろうとします。 「あの人は今、何を考えているのだろう?」 「私のこの行動で、相手を不快にさせていないだろうか?」 「場の空気が悪いのは、私

nirin-so
11月2日読了時間: 5分
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