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「欠点」は個性だ!心理学が教える自己肯定感の高め方

「自分には欠点が多い」「どうしてこんなにダメなんだろう」…

そう悩んだことはありませんか?

私たちはつい、自分の至らないところを「欠点」と呼んでしまいがちです。しかし、そもそも「欠点」とは何なのでしょうか。それは本当に「悪いもの」なのでしょうか?

今回は、「欠点」を「個性」として捉え直すというテーマで、心理学の視点から自己肯定感を高めるヒントを探っていきます。


「欠点」という言葉の罠:比較と判断の心理学


私たちはなぜ、自分のことを「欠点だらけ」だと感じてしまうのでしょう?それは、「欠点」という言葉が持つ、根源的な心理的な罠にはまっているからです。

心理学では、人間が自己を評価する際に、無意識のうちに**「社会的比較」**を行うことがわかっています。これは、他者と自分を比べて、自分の能力や特性を評価するプロセスです。

例えば、「Aさんはプレゼンがうまいのに、私は人前で話すのが苦手だ」と感じるとき、私たちはAさんの「プレゼン能力」と自分の「プレゼン能力」を比較し、自分を「劣っている」と判断します。この「劣っている」と判断された部分が、いわゆる「欠点」として認識されるのです。

さらに、私たちは「内的な基準」も持っています。これは、「こうあるべきだ」という理想像や、親や社会から刷り込まれた価値観です。例えば、「真面目にコツコツ努力するべきだ」「明るく社交的であるべきだ」といった基準です。この基準から外れた自分を「ダメな人間」だと判断し、その部分を「欠点」として認識します。

つまり、「欠点」という言葉を使うとき、そこには必ず「何かと比較して、良い・悪いの判断を下している」という心理的なプロセスが隠されているのです。私たちは、無意識のうちに自分をジャッジし、レッテルを貼り、そのレッテルに縛られて苦しんでいるのです。



「個性」という新たな視点:肯定的な再解釈


では、この「欠点」をどうすればいいのでしょうか?答えはシンプルです。「欠点」という言葉を捨て、「個性」として捉え直すことです。

心理学には、「認知的再構成」という考え方があります。これは、物事の捉え方や考え方(認知)を変えることで、感情や行動を改善する技法です。欠点を個性として捉え直すことは、まさにこの認知的再構成の一例です。

例えば、「飽きっぽい」という「欠点」があるとしましょう。これを「個性」として捉え直すとどうなるでしょうか?

  • 「好奇心旺盛で、色々なことに挑戦できる」

  • 「一つのことに固執せず、視野を広く持てる」 

  • 「新しい環境や変化に柔軟に対応できる」


このように、ネガティブな言葉をポジティブな言葉に置き換えるだけで、同じ特性でも全く違った意味合いに見えてきます。重要なのは、**「良い・悪いの判断を挟まない」**ことです。ただ、そこにある自分の特性をありのままに受け入れる。これが、自己肯定感を育む第一歩です。

この考え方をサポートするのが、「ストレングス・ファインダー」のような強みを発見するアプローチです。これは、人は誰もが固有の才能や強み(ストレングス)を持っており、それを活かすことで最大のパフォーマンスを発揮できるという考え方に基づいています。自分の「欠点」だと思っていた部分が、実はまだ活用されていない「強み」の原石であると気づくことができるのです。



自分の「個性」をどう生かすか?:自己受容と自己成長のプロセス

「欠点」を「個性」として捉え直せたら、次に考えるべきは「どう活かすか」です。

このプロセスは、自己受容から自己成長へと繋がっていきます。


1. 自己受容:ありのままの自分を受け入れる

まずは、自分を肯定することも否定することもなく、ありのままの自分を受け入れることから始めます。心理学者のカール・ロジャーズは、「無条件の肯定的配慮」の重要性を説きました。これは、他者をその人のありのままの姿で受け入れ、価値を認めることですが、これは自分自身に対しても行うべきことです。

例えば、「私は人見知りだ」という個性を、良い・悪いの判断抜きに「私はそういう人間だ」と受け入れる。この自己受容のプロセスが、心の安定をもたらします。


2. 強みへの変換:どう活かすかを考える

自己受容ができたら、次にその個性をどう活かすか、具体的に考えてみましょう。

  • 「人見知り」 → 「初対面の人と話すのは苦手だけど、一人ひとりと深くじっくり向き合うのが得意だ」→ カウンセリングやコンサルティングなど、深い人間関係を築く仕事に向いているかもしれない。

  • 「せっかち」 → 「じっくり取り組むのは苦手だけど、物事をスピーディに進めるのが得意だ」→ チームのスピードアップを担う役割や、短期的なプロジェクトに向いているかもしれない。

  • 「飽きっぽい」 → 「一つのことを継続するのは苦手だけど、新しい知識を素早く吸収するのが得意だ」→ 企画職や研究職など、常に新しい情報を扱う仕事に向いているかもしれない。

このように、視点を変えることで、自分の個性が持つ「隠れた強み」が見えてきます。


3. 個性を磨く:自己成長の旅を始める

最後に、見つけた強みをさらに磨くことに焦点を当てましょう。自己成長は、「欠点をなくす旅」ではなく、「個性を輝かせる旅」へと変わります。

例えば、「せっかち」という個性を活かしつつ、もう少し物事を丁寧に進める力を身につけたいなら、マインドフルネスや時間をかけて何かを完成させる趣味(料理、ガーデニングなど)を始めてみるのもいいでしょう。これは「欠点を直す」のではなく、「強みをさらに生かすための補助的なスキル」と捉えることができます。



まとめ:私たちは唯一無二の存在

「欠点」という言葉は、私たちを苦しめる幻想です。それは、他者や理想像と自分を比較し、勝手に「劣っている」とレッテルを貼ることで生まれる心理的な産物です。

私たちは、一人ひとりが唯一無二の存在です。完璧な人間などどこにもいませんし、完璧になる必要もありません。あなたの「欠点」だと思っているその特性は、他の誰にもない、あなただけの素晴らしい「個性」なのです。

さあ、今日から「欠点をなくそう」という幻想を捨て、「この個性をどう活かそうか」というワクワクする問いに切り替えてみませんか?その一歩が、あなたを本当の意味で自由にし、自己肯定感という揺るぎない自信を育んでくれるはずです。


 
 
 

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