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「自己同一化」-思い込みの中で生きている時、それが思い込みだと気づかない!

はじめに:「自己同一化」とは、自分自身を型にはめること

「自己同一化」とは、特定の考え方や感情、役割が、まるで自分自身そのものであるかのように感じている状態を指します。 人は、この状態にあるとき、それが「思い込み」であることに気づきません。なぜなら、その思い込みが、自分という人間を形作る一部だと感じているからです。

たとえば、「自分は人見知りだ」と思っている人がいるとします。このとき、「人見知り」という性格は、単なる一時的な状態ではなく、「私という人間は、こういう存在だ」という確信になります。すると、知らない人と話す機会があっても、「私は人見知りだから無理だ」と行動を制限してしまいます。この「無理だ」という思い込みが、人見知りであるという自分自身のイメージをさらに強固なものにしていくのです。



心理学から見た「自己同一化」:心のクセと自動運転


1. 心を守るための「心の鎧」

私たちは、幼い頃から社会で生きていくために、さまざまなことを学びます。その中で、不安や恐怖から自分を守るために、ある役割性格を無意識に演じるようになることがあります。たとえば、厳しい家庭で育った子どもが、怒られないようにいつも「良い子」を演じるとします。この「良い子」という役割は、やがてその子にとっての当たり前となり、「良い子であること」が、自分自身のアイデンティティになってしまいます。これが、心を外的ストレスから守るための「心の鎧」となります。しかし、この鎧が硬くなりすぎると、自分自身の本当の気持ちや願いを見失ってしまうことがあります。


2. 自分を理解するための「心の地図」

私たちは、複雑な世界をシンプルに理解するために、心の中に**「心の地図」を作ります。この地図は、自分自身や他人、世界に対する見方やルールをまとめたものです。たとえば、「自分は運動が苦手だ」という地図を持っている人は、運動に関する情報をすべて**「苦手だ」というフィルターを通して見てしまいます。 その結果、少しうまくいかないことがあると、「やっぱり自分は運動が苦手なんだ」と確信し、その地図をさらに強固なものにしていくのです。この地図が、実は自分を不自由にする思い込みであることに気づかないまま、私たちはその地図に沿って生きてしまいます。



NLPから見た「自己同一化」:心のプログラミングを書き換える

NLP(神経言語プログラミング)は、心の働きをコンピューターのプログラミングのように捉える考え方です。NLPの視点から見ると、自己同一化は「私は〜である」というプログラムが、自分というコンピューターにインストールされている状態です。


1. 心の階層:アイデンティティという最上位のプログラム

NLPには、人間の心の働きを階層的に考える「神経論理レベル」というモデルがあります。


このモデルでは、一番上の階層に「自分は何者か?(アイデンティティ)」があり、これが一番下の階層である「何をするか?(行動)」に強い影響を与えます。

  • アイデンティティ(自分は何者か?):「私は人見知りだ」

  • 信念(なぜそう思うか?):「人前で話すのは怖い」

  • 能力(どうやればいいか?):「うまく話す方法がわからない」

  • 行動(何をするか?):「人と話す場を避ける」

このように、「私は人見知りだ」という最上位のプログラムが、その下の階層にある考え方行動をすべて支配してしまうのです。


2. 自己同一化から自由になる方法

NLPは、この心のプログラミングを意識的に書き換えるための具体的な方法を教えてくれます。

  • 物の見方を変える(リフレーミング):「人見知り」という性格を、「慎重で、相手をよく観察する力がある」というように、ポジティブな側面から捉え直すことで、自分自身のイメージを変えていきます。

  • 自分を客観的に見る(分離):思い込みと自分自身を切り離して観察する練習です。たとえば、「私は人見知りだ」という感情を、まるで映画の登場人物のように客観的に見てみます。そうすることで、「これは私そのものではなく、ただの感情や役柄なんだ」と気づくことができます。


このように、自己同一化に気づき、それが本当の自分ではないと理解すること。これこそが、自分自身を縛る思い込みから解放され、より自由に生きるための第一歩なのです。


 
 
 

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