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【子育てのヒント】「褒める」より「勇気づける」!アドラー心理学が教える成長の秘訣

子育てをしていると、わが子の成長を願うあまり、ついつい「すごいね!」「よくできたね!」と褒めてしまいがちですよね。もちろん、お子さんの頑張りを認めることは大切です。

しかし、アドラー心理学では、「褒める」ことよりも「勇気づける」ことの方が、子どもの成長にとってより重要であると考えられています。

なぜでしょうか?


「褒める」ことの問題点


私たちは、子どもを良い方向へ導こうとする意図で褒めます。しかし、褒めるという行為には、いくつかの落とし穴が潜んでいる可能性があります。


  1. 依存心を生む可能性と中毒性: 褒められることを目的に行動するようになると、「褒められないとやらない」「褒められないと自分には価値がない」といった依存心が育ってしまうことがあります。これは、まるで報酬への依存のような状態であり、褒められるという「快感」を求めて行動するようになるため、中毒性を孕んでいます。子どもは、自分の内発的な動機ではなく、親の評価という外部からの刺激を常に求めるようになってしまうのです。

  2. 競争意識を煽る可能性: 他の子と比較して褒めるような言葉(例:「〇〇ちゃんよりすごいね!」)は、優劣意識や競争心を煽り、健全な人間関係を築く妨げになることがあります。

  3. 失敗を恐れる気持ちを助長する可能性: 褒められることを意識するあまり、失敗を恐れて新しいことに挑戦することをためらってしまうことがあります。「失敗したら褒められないかもしれない」という不安が、子どもの行動範囲を狭めてしまうのです。

  4. 操作的な意図が伝わる可能性: 子どもの行動をコントロールするために褒め言葉を使うと、子どもは親の意図を敏感に察知し、素直に受け取れなくなることがあります。「どうせ褒めておけば言うことを聞くだろう」という親の姿勢は、子どもの信頼感を損なう可能性があります。


アドラー心理学における「勇気づけ」とは


一方、アドラー心理学における「勇気づけ」は、子どもの勇気を育み、自立心や自己肯定感を高めるためのアプローチです。褒めることとは異なり、結果ではなく、子どもの努力やプロセス、存在そのものに焦点を当てます。

具体的には、以下のような言動が「勇気づけ」にあたります。


  1. 努力やプロセスを認める: 結果だけでなく、「一生懸命取り組んだね」「最後まで諦めなかったね」といった、努力や過程を具体的に言葉にします。これにより、子どもは「頑張ること自体に価値がある」と感じ、自己肯定感を育みます。

  2. 小さな成長や変化に気づき、伝える: 大きな成果だけでなく、ほんの小さな成長や変化も見逃さずに「昨日より少し早く起きられたね」「前はできなかったことができるようになったね」と伝えます。これにより、子どもは自分の成長を実感し、自信を持つことができます。

  3. 共に喜び、感謝の気持ちを伝える: 子どもの成功や頑張りを一緒に喜び、「〇〇ができてお母さんは嬉しいよ」「手伝ってくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えます。これにより、子どもは自分が周りの役に立っていると感じ、貢献感を覚えます。

  4. 失敗や困難を乗り越える力を信じる: 子どもが失敗したり、困難に直面したりしたとき、「大丈夫だよ」「次はきっとうまくいくよ」「あなたならできると信じているよ」と励まし、立ち直る力を信じる姿勢を示します。これにより、子どもは失敗を恐れずに挑戦する勇気を持ち、困難を乗り越える力を養います。

  5. 存在そのものを認める: 何か特別なことをしなくても、「あなたがいてくれるだけで嬉しい」「あなたの笑顔を見ると元気が出るよ」といった言葉で、子どもの存在そのものを肯定的に伝えます。これにより、子どもは無条件の愛情を感じ、安心感と自己肯定感を深めます。


「勇気づけ」の実践例


具体的な場面でどのように「勇気づけ」を実践できるのか、いくつか例を挙げます。


  • 絵を描いたとき: 「上手に描けたね」ではなく、「色使いがきれいだね」「楽しそうな絵だね」「どんなことを考えて描いたの?」と、子どもの表現や工夫、興味に関心を寄せます。

  • 宿題を頑張ったとき: 「全部できたね、すごい!」ではなく、「難しい問題もあったけど、最後まで頑張ったね」「集中して取り組んでいたね」と、努力やプロセスを認めます。

  • 失敗して落ち込んでいるとき: 「ドンマイ!気にしないで」ではなく、「今回はうまくいかなかったけど、また挑戦してみよう」「この経験から学べることがあったかもしれないね」と、立ち直るための言葉をかけ、成長の機会と捉えるように促します。

  • お手伝いをしてくれたとき: 「ありがとう」だけでなく、「〇〇ちゃんが手伝ってくれたから、すごく助かったよ」「本当にありがとうね」と、具体的な行動と感謝の気持ちを伝えます。


長期的な視点で見守る


「勇気づけ」は、即効性のある魔法の言葉ではありません。日々の小さな積み重ねが、子どもの心の土壌を豊かにし、成長の根っこをしっかりと育てます。

親として大切なのは、子どもの可能性を信じ、焦らず、温かい目で見守ることです。時には失敗したり、壁にぶつかったりすることもあるでしょう。そんな時こそ、「勇気づけ」の言葉と態度で、子どもが再び立ち上がり、前へ進む力を与えてあげてください。

「褒める」ことも時には有効ですが、過度な称賛は依存を生み、内発的な成長の妨げになる可能性があります。子どもの成長を真に促すのは、結果への評価ではなく、その子自身の努力や存在を認め、勇気づける温かい眼差しです。アドラー心理学の考え方を参考に、今日から子育ての視点を少し変えてみませんか?きっと、お子さんのキラキラとした成長をより一層感じられるはずです。


 
 
 

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