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その「モヤモヤ」は正解です。不快感が教えてくれる、本当のあなたと出会うサイン

「なんだか胸がザワザワする」

「理由はないけど、ソワソワして落ち着かない」

「心臓がバクバクして、胸がぎゅーっと締め付けられる気がする」


今、あなたの体には、そんな感覚がありませんか?


私たちは普段、こうした不快な感覚を「悪いもの」「消すべきもの」として扱ってしまいがちです。見なかったことにしたり、気合でねじ伏せようとしたり。

でも、あえて言わせてください。 今あなたが感じているその不快感、それこそが「正解」なのです。


それは、あなたの心と体が発している、とても正直で緊急性の高いメッセージです。

心理学的な視点から、この「不快感」の正体と、そこから本来の自分を取り戻すヒントを紐解いていきましょう。



1. 体は嘘をつかない:ソマティック・マーカー仮説


まず、なぜ心の問題が「バクバク」「ギュッ」という身体症状として現れるのでしょうか。

心理学や脳科学の分野には「ソマティック・マーカー仮説」という考え方があります。

これは簡単に言うと、「感情や過去の経験は、身体の反応(ソマティック)として現れ、それが意思決定のサイン(マーカー)になる」というものです。

顕在意識が「これはチャンスだ!やるべきだ!」と判断していても、過去の経験や本能的な防衛本能が「危険だ」と察知すると、先に体が反応します。


  • バクバクする動悸: 戦うか逃げるかの準備(交感神経の過剰興奮)

  • 胸の締め付け: ストレスによる筋肉の緊張や呼吸の浅さ

  • ソワソワ感: 居心地の悪さを知らせるアラート


これらは全て、あなたの体があなたを守ろうとして発している「NO」のサイン、あるいは「何かがおかしい」という警告なのです。



2. 司令塔と実行部隊の反乱


では、何に対して体が「NO」と言っているのでしょうか? ここで重要になるのが、あなたが提示してくれた「不整合」というキーワードです。

人間の意識構造を、会社組織に例えてみましょう。


  • 顕在意識(司令塔): 理性、論理、世間体、「こうあるべき」と考えるリーダー。

  • 潜在意識(実行部隊): 本能、感情、身体感覚、「こうしたい/したくない」を感じる現場のスタッフ。


通常、司令塔と実行部隊が同じ方向を向いていれば、物事はスムーズに進み、心は「ワクワク」や「心地よさ」を感じます。これを心理学では「自己一致」の状態と呼びます。


しかし、現代社会では司令塔が強引になりがちです。


司令塔:「この仕事を断ったら評価が下がる。やるべきだ!(理性)」

実行部隊:「もう限界だよ、休みたいよ!(本能)」


司令塔:「この人と付き合えば幸せになれるはず。(計算)」

実行部隊:「でも、一緒にいるとなんだか苦しいよ。(直感)」


司令塔が現場(潜在意識)の声を無視して命令を出し続けると、実行部隊はどうするでしょうか? 言葉を持たない彼らは、「身体症状」という形でストライキを起こします。

あなたが今感じている「胸の締め付け」や「ソワソワ」は、「司令塔! 話を聞いてくれ! 俺たちの望む方向はそっちじゃない!」という、現場からの必死の抗議デモなのです。



3. 「認知的不協和」を解消するチャンス


自分の信念や行動の間に矛盾があるとき、人は強い不快感を覚えます。これを「認知的不協和」と呼びます。

多くの人は、この不快感を消すために、自分の本音(潜在意識)の方を押し殺して、現実に合わせようとしてしまいます。「気のせいだ」「自分が弱いからだ」と。


しかし、そのアプローチは逆効果です。不快感があるということは、「あなたの望むもの(本音)」と「現在の状況」がズレているという動かぬ証拠だからです。


この不快感は、カーナビで言うところの「ルートを外れました」というアナウンスと同じです。アナウンスがうるさいからと言ってスピーカーを壊しても、正しい道には戻れませんよね?

不快感が強ければ強いほど、それは「本来のあなたが進むべき道は、今の方向とは大きく違いますよ」と教えてくれているのです。



4. 実行部隊の声を聞くステップ


では、どうすればこの「不整合」を解消できるのでしょうか。 大切なのは、司令塔(顕在意識)が、実行部隊(潜在意識・体)の声に耳を傾けることです。


以下のステップを試してみてください。


  1. 不快感を歓迎する: まずは「嫌な感じがする」ことを否定せず、「ああ、今サインが出ているな」と認めてあげてください。「教えてくれてありがとう」と体に声をかけるイメージです。

  2. 身体感覚にフォーカスする: 胸が締め付けられるなら、その「ギュッとする感じ」に意識を向けます。「それは何と言いたがっているかな?」「何がそんなに嫌なのかな?」と、司令塔として優しく問いかけてみてください。

  3. 「〜すべき」を手放してみる: 司令塔が握りしめている「こうすべき」「こうあるべき」という命令書を、一度脇に置いてみましょう。「もし、何も気にしなくていいなら、本当はどうしたい?」と自分に問いかけたとき、ふっと体が軽くなるなら、それがあなたの「正解」です。



最後に:不快感は、あなたへのラブレター


今、あなたが感じているその苦しさや違和感は、決してあなたを苦しめるためにあるのではありません。むしろ、あなたがあなたらしく幸せに生きるために、潜在意識が必死に送ってくれている「方向修正の提案書」であり、一種のラブレターです。

バクバクも、ソワソワも、全ては「そっちじゃないよ、こっちだよ」という道標。

その感覚を無視せず、立ち止まって耳を澄ませてみてください。 体からのサインを受け取ったとき、司令塔と実行部隊は和解し、驚くほどスムーズに人生が動き出すはずです。

あなたの体が教えてくれる「違和感」を、どうか信じてあげてくださいね。


 
 
 

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