アダルトチルドレンが自分に罰を与えてしまう心理
- nirin-so

- 6月30日
- 読了時間: 3分
アダルトチルドレン(AC)とは、子ども時代に家庭内で安心できる環境がなく、親から適切な愛情やケアを受けられなかったことで、心に傷を抱えたまま大人になった人のことを指します。彼らが自分で自分に罰を与えてしまう背景には、複雑な心理が絡み合っています。
1. 「自分は価値がない」という自己否定感
ACの多くは、子ども時代に親から否定されたり、無視されたりした経験から、「自分はダメな人間だ」「愛される価値がない」という強い自己否定感を抱いています。この根深い自己否定感は、「幸せになってはいけない」「苦しんで当然だ」という思考につながり、無意識のうちに自分を罰する行動を選んでしまうことがあります。
2. 親の言動の内面化
虐待やネグレクト、過干渉など、親からの不適切な扱いは、ACの心に深く刻み込まれます。親から言われた言葉や態度が「内なる声」として自分の中に残り、あたかも自分自身が自分を責めているかのように感じてしまうのです。例えば、「お前は何をやってもダメだ」と親に言われ続けてきた場合、大人になっても自分で自分に「私は何をやってもダメだ」と繰り返し、挑戦することを諦めたり、成功を恐れたりすることがあります。
3. コントロール欲求と安心感の追求
子ども時代に親の感情や行動に振り回され、予測不能な環境で育ったACは、自分の力ではどうすることもできない状況に無力感を感じていました。その経験から、大人になると「自分でコントロールできる状況を作りたい」という欲求が強くなります。自分を罰するという行為は、一見するとネガティブですが、ある意味で「自分で自分をコントロールしている」という感覚を与え、予測不可能な事態が起きるよりも安心感を得ようとしている場合があるのです。
4. 罪悪感と償いの意識
親が抱えていた問題(精神疾患、アルコール依存症など)や家庭内の不和に対して、子どもながらに「自分のせいだ」と感じてしまうことがあります。この罪悪感は、「自分が幸せになる資格はない」という考えにつながり、無意識のうちに自分を罰することで、過去の「罪」を償おうとする心理が働くことがあります。
5. 感情の麻痺と自己表現の困難
子ども時代に感情を抑圧されて育ったACは、自分の感情を感じたり、表現したりすることが苦手な場合があります。怒りや悲しみ、喜びといった感情を適切に処理できないため、感情が溜め込まれ、その捌け口として自分を傷つけたり、罰したりする行動に出てしまうことも考えられます。
アダルトチルドレンが自分に罰を与えてしまうのは、決して彼らが悪いからではありません。子ども時代のつらい経験が、大人になった今も心に深く影響を与えているためです。この心理を理解し、専門家のサポートを得ながら、自己肯定感を育んでいくことが、この負のループから抜け出すための重要な一歩となります。 お一人で悩まずご相談ください。
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