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人生を変えるなら行動より先に言葉を変える 

1. 思考と言葉の密接な関係


認知行動療法は、私たちの感情や行動は、出来事そのものではなく、その出来事に対する認知(考え方や捉え方)によって大きく左右されると考えます。そして、この認知は、私たちが普段使っている言葉と深く結びついています。

  • 内的対話(Self-talk): 私たちは常に頭の中で自分自身と対話しています。この内的対話は、言葉の形をとっており、私たちの自己評価、自信、モチベーションに大きな影響を与えます。例えば、「どうせ私にはできない」という言葉を繰り返し使っていると、新しいことに挑戦する意欲が低下し、行動に移す前に諦めてしまう可能性が高まります。

  • 思考の言語化: 曖昧な感情や考えも、言葉にすることで明確になります。そして、言葉にすることで、その思考を客観的に捉え、分析し、修正することが可能になります。ネガティブな言葉を使っていることに気づけば、「本当にそうだろうか?」「別の見方はできないだろうか?」と問いかけることができるようになります。

ですので、言葉を変えることが認知を変える第一歩となるのです。


2. 自己成就予言(Self-fulfilling Prophecy)の視点:言葉が現実を作り出す


自己成就予言とは、私たちが抱く期待や信念が、無意識のうちに自分の行動や周囲の反応を促し、結果的にその期待や信念通りの現実を作り出してしまう現象です。

  • 肯定的な言葉の力: 例えば、「私はできる」「きっとうまくいく」といった肯定的な言葉を意識して使うことで、自信が高まり、積極的に行動するようになります。その結果、成功体験を得やすくなり、さらに自信が深まるという好循環が生まれます。

  • 否定的な言葉の呪縛: 一方、「やっぱりダメだ」「どうせ失敗する」といった否定的な言葉は、行動する前から諦めの気持ちを生み出し、努力を怠らせる可能性があります。その結果、本当に失敗してしまい、「やっぱりそうだった」とネガティブな信念を強化してしまう悪循環に陥ります。

言葉は、私たちの潜在意識に働きかけ、行動や結果に影響を与える強力なツールなのです。


3. ラベル付け効果(Labeling Effect)の視点:言葉が自己認識を形成する


私たちは、自分自身や他人に対して様々なレッテル(言葉)を貼ることがあります。このラベル付けは、その人の自己認識や行動に大きな影響を与えます。

  • 肯定的なラベル: 例えば、「あなたは努力家だ」「才能がある」といった肯定的な言葉を周囲からかけられることで、その人は自分のことをそう認識し、さらに努力したり、才能を伸ばそうとしたりするでしょう。

  • 否定的なラベル: 逆に、「あなたはだらしない」「能力がない」といった否定的な言葉を繰り返し聞いていると、その人は自己肯定感を失い、本当にそのような行動をとってしまう可能性があります。

自分自身にかける言葉も同様です。「私はダメな人間だ」という言葉を使い続けると、自己肯定感が低下し、積極的に行動することが難しくなります。


4. 社会的相互作用の視点:言葉が人間関係を築く


私たちが使う言葉は、他者とのコミュニケーションの基本であり、人間関係を築く上で非常に重要です。

  • 肯定的な言葉と共感: 感謝の言葉や励ましの言葉、相手の気持ちに寄り添う言葉を使うことで、良好な人間関係を築き、周囲からのサポートを得やすくなります。

  • 否定的な言葉と対立: 批判的な言葉や攻撃的な言葉は、対立を生み出し、孤立を招く可能性があります。

良好な人間関係は、人生の幸福度を高める重要な要素です。言葉を変えることで、周囲との関係性が変わり、結果的に人生がより良い方向へ変化していく可能性があります。


まとめ


人生を変えるために行動を起こすことは重要ですが、その行動の源となる思考や感情は、私たちが普段使っている言葉と深く結びついています。言葉を変えることは、

  • ネガティブな思考パターンを打破し、ポジティブな思考を育む

  • 自己肯定感を高め、行動力を引き出す

  • 周囲との良好な関係を築き、サポートを得やすくする

といった効果をもたらし、結果的に行動の変化を促し、人生をより良い方向へと導く力を持っていると言えるでしょう。まずは、自分が普段どのような言葉を使っているかに意識を向け、意識的にポジティブな言葉、建設的な言葉を使うように心がけることが、人生を変えるための第一歩となるのです。


 
 
 

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