古い価値観を手放し、人生を加速させる脳のフィルター:RASのメカニズム
- nirin-so

- 10月5日
- 読了時間: 4分
更新日:10月8日
不要な荷物を下ろす勇気
「〇〇だから、私には無理だ」「〇〇すべきだから、こうするしかない」—人生の岐路に立ち、一歩踏み出そうとしたとき、このような古い価値観や制限的な思い込みに足を引っ張られることはありませんか。まるで、旅立ちに必要なものだけを選びたいのに、もう使わない重い荷物を頑なに握りしめているような状態です。
しかし、心理学的な視点から見れば、この「手放せない」状態こそ、あなたが新たな可能性の扉を開くための鍵となります。
脳のフィルター「RAS」とは?
私たちの脳には、RAS(網様体賦活系:Reticular Activating System)と呼ばれる、意識の覚醒状態を維持し、情報を選別するフィルターのような重要な機能があります。五感から入ってくる膨大な情報の中から、「自分にとって重要だ」と認識したものだけを意識に上げる役割を担っています。
その処理能力は驚くほどに限定的で、1秒間に40億ビットとも言われる情報量の中から、意識で処理できるのはたった2,000ビット程度と言われています。つまり、私たちが何を「重要」と見なすかによって、見える世界、集まる情報、そして最終的な行動が劇的に変わるのです。
「できない」にフォーカスする代償
あなたが「〇〇だから」と、できない理由や現状を意識の焦点に置いたとき、RASはその情報を「重要」と判断します。すると、脳はまるで高性能な検索エンジンのように働き始め、「できない理由」や「諦めるべき状況」を裏付ける情報や証拠を世界中から集めてきて、あなたの意識に次々と提示します。
これは、あなたが無意識のうちに「できない」という結果を望んでいる(あるいは、現状維持を望んでいる)とRASが解釈してしまうからです。結果として、本当に必要な情報や、状況を打開するための可能性は、RASによってシャットアウトされ、目に入らなくなってしまうのです。心理学では、この無意識の情報の遮断をスコトーマ(盲点)と呼びます。
「可能性」に焦点を当て、RASを味方につける
一方で、あなたが考え方を変え、「〇〇だけど、どうすればできるかな」と問いかけた瞬間、RASの設定は一変します。
目標:「どうすればできるか」
RASの役割:目標達成に必要な情報を集める
脳は「可能性」にフォーカスし、実現のために必要な知識、人脈、アイデア、チャンスといった情報を優先的に意識に届け始めます。これは、「引き寄せの法則」の科学的な根拠の一つとも言えます。あなたが強く意識し、問いを投げかけることで、RASという強力な情報収集フィルターが起動し、あなたの望む未来に直結する情報を集めてくれるようになるのです。
古い価値観からの「卒業」
あなたが「〇〇だから」「〇〇すべきだから」と握りしめているものは、本当に今のあなたが望むものに必要なものですか?
過去の環境や人間関係、あるいは社会の一般論から刷り込まれた古い価値観や信念が、知らないうちにあなたのRASを「できない」方向に設定していませんか。
自己成長とは、新しい知識を詰め込むことだけでなく、不要になったものを手放すことでもあります。
手放す際には、その古い価値観を持っていた過去の自分を責める必要はありません。また、それを刷り込んだ人たちに怒りを向ける必要もありません。大切なのは、「あ、今がこの価値観を卒業するタイミングなんだな」と、ただ気づき、そっと距離を置くことです。
この「卒業」という行為は、心理学的に見ると、自己のアイデンティティを再構築し、コンフォートゾーン(安心できる領域)を広げるプロセスです。
空いたスペースに望む未来を置く
不要な荷物を手放して空いたスペースには、あなたが本当に望むものを置くことができます。
RASを真に活用し、人生を望む方向に加速させるためには、「何を望んでいるのか」を明確にすることが不可欠です。目標を具体的にイメージし、達成したときの感情を先取りすることで、RASはさらに強力に作用します。
古い自分に別れを告げ、RASという強力な味方を連れて、本当に進みたい未来へと一歩踏み出しましょう。空いたスペースは、あなたの可能性で満たされるでしょう。
.png)







コメント