深読みの迷宮から抜け出して ~他者の心ではなく、あなたの心へ~
- nirin-so

- 4月28日
- 読了時間: 4分
皆さん、こんにちは。心理カウンセラーの吉田レイ子です。
日々の生活の中で、私たちは他者の言動に心を揺さぶられることが少なくありません。
「あの人はなぜあんなことを言ったのだろう?」「もしかして、私に何か不満があるのかな?」。
相手の言葉の裏に隠された意図を探ろうと、ついつい深読みしてしまう経験、あなたにもありませんか?
まるで迷路のように複雑に入り組んだ他者の心を、私たちは懸命に解き明かそうとします。しかし、その努力が実を結ぶことは稀です。なぜなら、他者の心は私たち自身のものではないからです。他者の感情、思考、価値観、そして過去の経験は、私たちとは全く異なるものです。私たちがどんなに想像力を働かせても、完全に理解することは不可能に近いと言えるでしょう。
深読みは、私たちを不安と混乱の淵に突き落とします。
「もしかしたら…」「だったらどうしよう…」と、頭の中でネガティブなシナリオが次々と繰り広げられ、心が疲弊してしまうのです。まるで、霧の中を手探りで進むように、出口の見えない迷宮をさまよっているような状態と言えるかもしれません。
では、私たちはどのようにすれば、この深読みの迷宮から抜け出すことができるのでしょうか?
その答えは、意外なほどシンプルかもしれません。深読みする必要があるのは、他者の心ではなく、あなた自身の心なのです。
他者の言動に心がざわつく時、それはあなたの心に何らかの反応が起きている証拠です。「なぜ、私はこの言葉にこんなにも引っかかるのだろう?」「この人の態度を見て、私は何を感じているのだろう?」。他者の言動という鏡を通して、あなた自身の内面を見つめることこそが、心の平穏を取り戻すための第一歩となります。
例えば、同僚の冷たい一言に傷ついたとしましょう。深読みをして「きっと私の仕事ぶりに不満があるんだ」「嫌われているのかもしれない」と考えるのではなく、「私は、人に認められたい、受け入れられたいという気持ちが強いんだな」と、自身の感情に気づくことが大切です。
また、友人のSNSの投稿を見て、心がざわついたとします。「私にはないものばかり持っていて羨ましい」「もしかして、私にマウントを取っているのかな?」と考えるのではなく、「私は、今の自分の状況に少し不満を感じているのかもしれない」「もっと自分を満たしたいと思っているんだな」と、自身の欲求や感情に焦点を当てるのです。
自分の心に深く潜っていくと、これまで気づかなかった感情や欲求、そして価値観に気づくことがあります。過去の経験からくる恐れや、大切にしているものが明らかになることもあるでしょう。
自分の心を深く理解することは、他者とのより良い関係を築く上でも不可欠です。自分の感情のパターンやトリガーを把握していれば、不必要に相手の言動に振り回されることが減ります。また、「私はこういう時に傷つきやすい」「こういうことを大切に思っている」と、相手に率直に伝えることができるようになり、誤解やすれ違いを防ぐことができるでしょう。
もちろん、相手の気持ちを全く考慮しなくて良いというわけではありません。相手への配慮は、円滑な人間関係を築く上で大切な要素です。しかし、相手の心を完璧に理解しようとすることと、相手への配慮を持つことは全く別のことです。
私たちがコントロールできるのは、他者の心ではなく、自分の心だけです。自分の感情に寄り添い、理解を深めることで、私たちはより穏やかに、そして主体的に生きていくことができるようになります。
もし、あなたが今、他者の心の深読みにはまって苦しんでいるのなら、少し立ち止まって、ご自身の心に問いかけてみてください。「今、私は何を感じているのだろう?」「この感情の奥には、どんな思いが隠れているのだろう?」と。
あなたの心は、あなた自身が深く探求する価値のある、豊かで複雑な世界です。他者の心の迷宮から抜け出し、あなた自身の心の奥深くへと旅に出てみませんか? きっと、これまで見えなかった大切なものに気づくことができるはずです。
もし、その旅の途中で迷ってしまったら、いつでも私たち心理カウンセラーを頼ってください。私たちは、あなたの心の声に耳を傾け、共に歩むことを心から願っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
心理カウンセラー
吉田レイ子
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