生きづらいのは、「コントロールできない世界」を自分で創っているから?
- nirin-so

- 9月9日
- 読了時間: 5分
もし、あなたが今生きづらいと感じているなら、その苦しさは「コントロールできない世界」を自分で創っていることからきているのかもしれません。
この記事では、生きづらさの正体が、実はあなたの「思い込み」や「考え方の癖」にあること、そしてその癖を変えていくことで、世界の見え方そのものを変え、生きやすい人生を歩んでいく方法について、心理学的な観点からお伝えしていきます。
生きづらさの正体:それは「事実」ではなく「解釈」
私たちは、日々の出来事を「事実」として受け取っているように感じますが、実はそうではありません。私たちは、出来事に対して常に「解釈」を加えています。そして、この「解釈」こそが、生きづらさの原因となることが多いのです。
たとえば、次のような状況を想像してみてください。
状況: カフェで店員さんに注文をしたら、無表情で対応された。
あなたの解釈①(生きづらい): 「あの店員は冷たい人だ。私にだけこんな態度をとるなんて、私は運が悪いな。」
この解釈の場合、「店員が冷たい」ことや「私は運が悪い」ということが、あたかも動かしようのない「事実」のように感じられます。すると、あなたは自分の力ではどうすることもできない、不親切な店員や不運な出来事が満ちている世界に生きている、と感じてしまいます。
視点を変える:事実は「起きたこと」、解釈は「あなたがどう感じたか」
一方で、同じ状況でも、別の解釈をすることができます。
あなたの解釈②(生きやすい): 「あの店員さん、なんだか疲れていそうだったな。もしかしたら、忙しくて大変なのかもしれない。私はそう感じただけだ。」
この解釈では、「店員さんが疲れていそうだ」とか「忙しいのかも」というあなたの推測が入っていますが、重要なのは、最後に「私はそう感じただけだ」と付け加えている点です。
心理学の観点から考える:コントロールできるのは「自分の内側」だけ
この「事実」と「解釈」の違いは、心理学の分野ではとても重要視されています。特に、認知行動療法という心理療法では、私たちの感情や行動は、出来事そのものではなく、その出来事に対する「認知(考え方や捉え方)」によって決まると考えます。
A(出来事)→ B(考え方・捉え方)→ C(感情・行動)
先ほどの例に当てはめると、
A(出来事): 店員さんが無表情で対応した。
B(考え方・捉え方): 「私にだけ冷たい」「私は運が悪い」
C(感情・行動): 落ち込む、気分が暗くなる、もうこのお店には来たくないと思う。
このループにはまっていると、あなたは無意識のうちに、すべての出来事を「自分にとって悪いもの」として捉えるようになります。
しかし、もしBの「考え方・捉え方」を変えることができたらどうでしょう。
A(出来事): 店員さんが無表情で対応した。
B(考え方・捉え方): 「忙しそうだったな」「疲れていそうだったな」
C(感情・行動): 相手を気遣う気持ちが生まれる、特に気分は落ち込まない、また来てもいいかなと思う。
このBを変える力は、あなた自身が持っています。そして、この「B」こそが、あなたの生きづらさを解消するための鍵なのです。
自分の「解釈」の癖に気づくことから始める
では、具体的にどうすればいいのでしょうか。まずは、自分の「解釈」の癖に気づくことから始めましょう。
「私っていつもこうだ」
「どうせうまくいかない」
「この人は絶対に私を嫌っている」
もし、あなたがこのような言葉を心の中でつぶやいていることに気づいたら、それはあなたが出来事を「事実」として捉えてしまっているサインかもしれません。
次に、その考え方を一度立ち止まらせてみてください。「本当にそうだろうか?」「もしかしたら、別の解釈もできるのではないか?」と自問自答してみるのです。
生きやすい世界を自分で作り出すためのステップ
1. ラベリングをやめる
私たちは、物事や人にすぐに「冷たい」「ひどい」「運が悪い」といったラベルを貼りたがります。このラベルを貼る行為は、思考を停止させ、その先にある可能性を閉ざしてしまいます。
2. 「〜と感じた」「〜と思った」に変換する
「店員が冷たい」という「事実」ではなく、「店員が冷たいと感じた」というあなたの「解釈」に変換してみましょう。こうすることで、あなたは「これは自分の感じ方なのだから、変えることができる」という意識を持つことができます。
3. 別の解釈を探す
「なぜそう感じたのだろう?」と、もう一歩踏み込んで考えてみましょう。
「疲れて見えたからかな」「もしかしたら体調が悪かったのかもしれない」など、ネガティブではない別の可能性を探してみるのです。
まとめ
生きづらさを生み出すのは、外の世界の出来事ではありません。それは、あなたが出来事に対して与えている「解釈」です。
あなたが自分の力でコントロールできるのは、他人の言動でも、運命でもなく、ただひとつ、「自分の考え方」だけです。
「こうだ」と決めつけていた「事実」を「こう感じただけだ」という「解釈」に変えることで、あなたは無意識のうちに作り出していた「コントロールできない世界」から解放されます。
そして、自分の力で「生きやすい世界」を創造していくことができるのです。
今、あなたが感じている生きづらさは、あなたの考え方を変えることで、いくらでも変えていくことができます。それは決して簡単なことではありませんが、その一歩を踏み出すことで、あなたの人生は少しずつ、光が射す方向へと変わっていくはずです。
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