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なぜ人に甘えられない?その心理と処方箋

「もっと人に頼れたら楽なのに…」

そう感じたことはありませんか?

私たちは時に、喜びや楽しみだけでなく、悩みや困難も分かち合い、支え合って生きていく存在です。

しかし、中にはどうしても人に甘えることができず、一人で重い荷物を背負い込んでしまう人もいます。

人に甘えられないのは、あなたの心が抱える育ってきた環境で作られた人生脚本*が深く関係しているのかもしれません。


甘えたくても甘えられない。その心の声に耳を澄ませて

人に甘えられない背景には、様々な理由が潜んでいます。


1. 過去の傷跡:拒絶された記憶

過去に甘えようとした際、「自分で何とかしなさい」「そんなことで頼るな」といった言葉で拒絶された経験はありませんか?そうした経験は、あなたの心に深い傷跡を残し、「人に頼ると嫌われる」「迷惑をかけてしまう」という思考を根付かせてしまうことがあります。幼少期の親との関係性も大きく影響し、十分に甘えさせてもらえなかった経験は、「甘えることはいけないことだ」という思い込みを生み出す可能性があります。


2. 強すぎる自立心と完璧主義

「人に頼ることは弱いことだ」という価値観を持っていたり、何でも自分で完璧にこなそうとする完璧主義な傾向がある人も、人に甘えることに躊躇い感じるでしょう。人に頼ることは自分の無能さを認めるようで、自己肯定感を大きく揺るがす行為と感じてしまうからです。

3. 遠慮:相手への配慮という名の壁

相手に迷惑をかけたくない、負担をかけたくないという優しい気持ちが強い人も、なかなか甘えることができません。相手の状況を慮るあまり、「忙しいだろうから」「自分でできることだから」と助けを求める前に諦めてしまうのです。しかし、過度な遠慮は、かえって相手との距離を生み、親密な関係を築く妨げになることもあります。


4. 傷つくことへの恐れ:脆さを隠す鎧

人に甘えるということは、自分の弱さや脆さを見せることでもあります。過去の経験から、「また傷つけられるのではないか」「期待を裏切られるのではないか」という恐れが強く、誰にも頼らずに生きていこうとする自己防衛が働くことがあります。


5. 低い自己肯定感:自分には頼る価値がない?

自己肯定感が低い人は、「自分は人に頼る価値のない人間だ」と感じてしまうことがあります。そのため、助けを求めることを躊躇したり、「どうせ助けてもらえないだろう」と 諦めてしまったりする傾向があります。


6. 依存への恐れ:自立心を失う恐怖

一度人に甘えてしまうと、もっと依存してしまうのではないか、自分では何もできなくなるのではないかという不安を抱えている人もいます。依存性が深まることへの恐れや、相手に過度な負担をかけて関係性が壊れてしまうことへの恐れも、甘えられない 原因となり得ます。


重い荷物を手放すために。明日からできるアプローチ


もしあなたが「人に甘えたいけれど、どうしても甘えられない」と感じているなら、少しずつ心理的なアプローチを試してみませんか?


1. 自己理解を深める:心の声に耳を傾ける

まずは、なぜ自分が人に甘えられないのか、その原因となっている過去の経験や感情に 向き合うことから始めましょう。日記をつけたり、自分自身に問いかけたりする中で、心の奥底にある声に耳を澄ませてみてください。「あの時、本当は何を感じたんだろう?」「なぜ、人に頼ることに抵抗があるんだろう?」そうした内省は自分を深く理解するための 一歩となります。

2. 小さな一歩から:甘える練習をする

いきなり大きなことを頼るのではなく、まずは信頼できる人に、本当に些細なことから甘えてみましょう。例えば、「ちょっとあの箱を持ってもらえないかな?」「今日の出来事を 聞いてほしいな」といった小さなお願いから始めてみるのです。甘えたときに相手がどのような反応を示すかを観察し、「甘えても大丈夫なんだ」という安心感を少しずつ積み重ねていくことが大切です。そして、甘えさせてもらったら、心からの感謝の気持ちを言葉で伝えましょう。それは、あなたと相手の間に良好な関係を育むことになります。


3. 周囲への意識的な関り:頼れる存在に気づく

普段何気なく接している人の中にも、実はあなたを助けたいと思っている人がいるかもしれません。「迷惑をかけるかも」という思いに囚われず、周囲を見渡してみてください。困ったときに相談できるかもしれない人、支えになってくれるかもしれない人に普段から目を向けることをしてみましょう。


4. 「迷惑」から「助け合い」へ

「人に頼ることは迷惑だ」という考え方を、「お互い様」「助け合い」というポジティブな視点へと転換してみましょう。助けを求めることは、相手に負担をかけるだけでなく、相手に「頼られる喜び」や「役に立てる実感」を与える機会にもなり得ます。人間関係は、一方通行ではなく、相互扶助によって深まっていくものです。


5. 完璧主義からの解放宣言:不完全な自分を受け入れる

完璧主義を手放し、不完全な自分を受け入れることも、人に甘えるためのステップです。人間は誰しも完璧ではありません。助けを求めることは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、自分の限界を知り、周りの力を借りる一つの選択とも言えます。


6. 人間関係の再構築:

もし、周囲に頼れる人が少ないと感じているなら、新しい人間関係を築くことを検討してみましょう。趣味のサークルに参加したり、ボランティア活動に参加したりする中で、共通の話題を持つ人々と出会い、少しずつ関係性を深めていくのです。心の壁を取り払うこで、

周囲のサポートや共感が得られるかもしれません。


一人で抱え込まないで。 声をあげる勇気を

人に甘えることは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、自分自身を大切にし、より豊かな人間関係を築くための大切なスキルです。もし、過去の経験や様々な要因によって、どうしても人に甘えることが難しいと感じる場合は、無理せずカウンセリングなどを検討することも有効な選択肢です。専門家のサポートを受けることで、心の重くなった荷物を安全な場所で下ろし、新しい自分と出会うことができるでしょう。

あなたは一人ではありません。辛くなったときは、勇気を出して助けを求めてみてください。きっと誰かが手を差し伸べてくれるはずです。


 
 
 

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