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子育てのNGワード?「どうしてできないの?」が子どもを傷つける理由

子育てをしていると、子どもについ「どうして○○できないの?」「どうして叩くの?(○○するの?)」と問い詰めてしまうことはありませんか?

忙しい時や、子どもの行動に困ってしまった時など、つい反射的に口をついて出てしまうこれらの言葉。しかし、実はこれらの質問は、子どもの成長にとって思わぬ落とし穴となる可能性があるのです。


「どうしてできないの?」に隠されたメッセージ


子どもに「どうしてできないの?」と尋ねる時、親は子どもの行動や結果に対して疑問を感じています。宿題が終わらない、着替えが遅い、友達と仲良く遊べない…親としては、理由を知りたい、改善してほしいという思いがあるでしょう。

しかし、この質問を受け取った子どもはどう感じるでしょうか?多くの場合、子どもは「自分はダメなんだ」「能力がないんだ」と感じてしまう可能性があります。「できない」という結果に対して問い詰められることで、子どもは自分のポテンシャルやキャパシティを否定されたように感じてしまうのです。

例えば、なかなか自転車に乗れない子どもに「どうしてできないの?」と聞いても、子どもは「自分でも分からない…」と感じるかもしれません。練習しても上手くいかない焦りや、周りの子ができていることへの劣等感を抱えている可能性もあります。そんな状況でさらに「できない」ことを指摘されると、子どもは自信を失い、「もうやめてしまいたい」と感じてしまうかもしれません。


「どうして叩くの?(○○するの?)」は子どもの気持ちを置き去りにする


同様に、「どうして叩くの?」「どうしてそんなことをするの?」という質問も、子どもの行動の表面だけを見て、その奥にある気持ちや理由に目を向けていません。

子どもが友達を叩いてしまった時、親としてはすぐにその行動を止めさせ、理由を問い詰めたくなるでしょう。「どうしてそんな酷いことをするの!」と感情的に叱ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、子どもが叩いてしまった背景には、もしかしたらおもちゃを取られて悔しかった、仲間に入れてもらえなくて寂しかった、自分の気持ちを言葉で伝えられなかったなど、様々な理由が隠されている可能性があります。「どうして叩くの?」という質問は、子どものそうした複雑な気持ちを無視し、ただ「悪いことをした」という結果だけを責めているように聞こえてしまうのです。


自己肯定感とアイデンティティへの影響


これらの「どうして~?」という質問が繰り返されると、子どもは徐々に「自分はいつも何かできない」「自分は悪いことをする子だ」というネガティブな自己イメージを抱くようになります。これは、子どもの自己肯定感を大きく損なう原因となります。

自己肯定感とは、「自分は価値のある人間だ」「自分にはできる力がある」と感じる気持ちです。自己肯定感が高い子どもは、困難に立ち向かう力や、新しいことに挑戦する意欲を持ちやすいと言われています。しかし、「できない」「悪い」と否定される経験を繰り返すと、子どもは自信を失い、何事にも消極的になってしまう可能性があります。

さらに、「どうして~?」という問いかけは、子どものアイデンティティの否定にも繋がりかねません。「できない子」「悪い子」というレッテルを貼られることで、子どもは自分の存在そのものを否定されたように感じてしまうことがあるのです。


より良い問いかけ:「何に困ってるの?」「話したいことがあるんだね?」


では、子どもが何かうまくいかなかったり、問題行動を起こしたりした時、親はどのように声をかけるのが良いのでしょうか?

大切なのは、結果に対してではなく、その原因や背景にある子どもの気持ちに寄り添うことです。そこで有効なのが、以下のような問いかけです。

  • 「何か困っていることがあるのかな?」

  • 「どうしたの?話してみてもらえる?」

  • 「○○したかったんだね。」(子どもの気持ちを推測して代弁する)

  • 「今、どんな気持ち?」

これらの質問は、子どもの行動や結果を頭ごなしに否定するのではなく、「何か理由があるんだね」「話を聞かせてほしい」というメッセージを伝えます。子どもは、親が自分の気持ちを理解しようとしてくれていると感じ、安心して自分の内面を語りやすくなります。

例えば、自転車に乗れない子どもに「どうしてできないの?」と聞く代わりに、「何か困っていることはある?」「どこが難しいかな?」と声をかけることで、子どもは「ペダルを漕ぐのが怖い」「バランスを取るのが難しい」など、具体的な困りごとを打ち明けやすくなります。親は、その困りごとに寄り添い、一緒に解決策を探すことができるでしょう。

友達を叩いてしまった子どもに「どうして叩くの!」と叱る前に、「何かあったんだね。話してみようか?」と優しく声をかけることで、子どもは叩いてしまった理由を話してくれるかもしれません。「おもちゃを取られて嫌だった」「仲間に入れてもらえなくて悲しかった」など、子どもの気持ちを受け止めた上で、「叩くのはいけないことだけど、そう感じたんだね」と共感を示し、より良い伝え方を一緒に考えることができるでしょう。


親の意識を変えること


子育てにおいて、つい反射的に出てしまう「どうして~?」という言葉。意識して別の言葉に置き換えることは、最初は難しいかもしれません。しかし、子どもの自己肯定感を育み、親子の信頼関係を深めるためには、親の意識を変えることが大切です。

子どもは、親の言葉や態度を敏感に感じ取ります。頭ごなしに否定するのではなく、寄り添い、理解しようとする姿勢を示すことで、子どもは安心して成長していくことができるでしょう。「どうして?」という問いかけを、「何があったの?」「どんな気持ち?」に変えることから、子育てはより豊かなものになるはずです。


子育て中の親御さんへのメッセージ


お子さんの「困った行動」は親御さんへの信頼の証です。「こんなことしたら、見捨てられる」といった見捨てられ不安や、「そんなことしたら殴られる」などの恐怖心があったら本心をぶつけることなどできないからです。 だから、困った行動に困ったときこそ、ご自身の子育てに自信と誇りも持っていただきたいと思います。


 
 
 

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